やらなければならないことを効率よく最短距離で終わらす。面倒くさいことはなるべく簡単に労力を使わずに済ませたい。
限られた時間の中であれもこれもやらないといけないので、効率化は常に考えないといけません。
ひげ剃りもその一つでしょうか。毎日生えてくるヒゲを追っかけて剃っていくだけの面倒な作業。電動シェーバーも機能性が高まり一昔前のものとは比べ物にならないほどよく剃れるようになりましたが、仕上がりでは刃を直接肌に当てられるカミソリには到底敵いません。
そんなわけで、これまで毎日、面倒な作業をせっせとプラスティック製のT字型カミソリでやっていたのですが、どうせやるなら流れ作業ではなく、楽しみたいと思い、かねてより気になっていた両刃カミソリを手に入れました。
両刃カミソリは扱いが難しく、時間をかけて剃らないといけないということなので、どうせならホルダーも長く使えるものがほしいと思い、「ミューレ R89」のクラシックレイザーを使うことに。
クラシックシェービングが3年目に突入したので、改めて楽しさを振り返ってみた記事をこちらにまとめました。
たかがカミソリされどカミソリ。クラシックな佇まい
箱のデザインもシンプルで素敵です。
カミソリにしては高価ですが、重さもあり、モノとしての質感も高いため「さあ、ひげを剃るぞ」という気分になる。この気分の切替がポイントで、ヒゲを剃るために向き合う特別な時間に変わります。これによってただの面倒な流れ作業から、雑念を取り払って無心で集中できる、意味のある行為に変わります。
本体はこんな感じ。ハンドルは結構短めですが、小回りが効くのでよいですね。メッキは明るくピカピカです。
両刃カミソリは替刃がとにかく安い。ものによりますが、1枚当たり40円程度から買えます。一般的なT字型カミソリだと替刃1個で300ぐらいするので、頻繁に交換したとしてもかなり経済的です。
シンプルな3ピース。必要最低限で質実剛健
構造は単純明快で、「ハンドル」と両刃を抑えるための「トップキャップ」「ベースプレート」の3つに分かれる3ピース型です。非常に丁寧に作られていますが、構造はシンプルなので、そうそう壊れることはないでしょう。
トップキャップとベースプレートの間に両刃を挟んでクルクルとハンドルを締めると完成です。プラスティック製にはない、ずっしりとした重さが心地よい。基本的に替刃はどのメーカーのものでも使えるため、自分に合った替刃を試してみるのも楽しいです。
習うより慣れろ。気持ちよく剃るためには訓練は必要
実際の剃り味については、評判どおり素晴らしいものでした。これまでのT字型カミソリでは味わえない深剃りができます。たっぷりとシェービングクリームを肌に塗ってから、一息いれてから、ゆっくりと肌を滑らせていくと、浴室にチリチリとヒゲに当たっていく音まで聞こえます。
モノとしての質感も高く、剃り味もよいのですが、一番の難関は「慣れる」必要があることです。
これまでのT字型カミソリでは、安全カードもあって簡単に肌が切れてしまうことはありませんが、両刃カミソリはダイレクトにヒゲに刃が当たるので、よく剃れる分、油断すると血まみれということにもなります。
ホルダーからはみ出ている刃自体は短いので、深い傷がつくわけではないですが、それでも「あっ! 血が・・・」みたいな状況になりやすいです。僕も初めの何回かは慎重に刃を滑らしたつもりでしたが、面白いように深剃りできるのをいいことに、ジョリジョリやってるとシェービングクリームが赤く染まりました・・・
慣れてくると力加減や刃の角度も体が覚えるので、うっかり切ってしまうことはほぼありません。なんとなく車を運転していると体が車幅の感覚がわかってくる感じに似ています。感覚がつかめれば、快適なひげ剃りライフが満喫できます。
初めはおっかなびっくりで15分ぐらいかかってましたが、最近は集中して10分かからずにキレイに剃り上げることができるようになりました。
- 使えば使うほどに愛着が持てる重厚な質感
- T字型カミソリでは味わえない深剃りができる
- ひげ剃りが作業ではなく、リフレッシュするための時間に変わる
- 急いでいる時には向かない
- シェービングクリームが手に残ってると滑りやすい
夜、風呂場で丁寧にひげを剃る行為は何にも邪魔されない時間であり、キレイにヒゲを剃ったあとは気分もリフレッシュできます。
面倒くさいだけの作業が大切な一日の区切りの時間になる、そんな効果もクラシカルな両刃カミソリだからこそです。